1幕のモノローグ、ここは初演と同じだが、前回は中村勘九郎で、今回は中村七之助が務める。奴隷市場のシーンから始まり、麦わらの一味登場までスピーディーに展開する(すぐに吹き飛ばされる!)。初演より全体の演出が“アニメ感”が少し濃くなったようなニュアンス、猿之助の大立ち回り等が早くも観られるので、歌舞伎ファンはテンションが上がる。また猿之助がHIPHOP的なダンスも見せるので、ここは見どころ。そして1幕の幕切れにハンコックが現れて巨大な愛の炎を体現するのだが、ここは、紅白歌合戦ばりの仕掛け、ハンコックが“巨大な炎”のてっぺん、裾部分は舞台いっぱいに広がって「おお〜」な場面だ。
さて、ここで休憩に入るのだが、なんと、ここでCMが!「タンバリン販売促進」、もう買わなきゃ損!損!的な押しの強さで思わず買ってしまうこと、うけあいだ。トイレに行ってると見れない!のでさっさと済ませて着席したい。
2幕の幕開きは鞭を持ったサディちゃんがエースを拷問するところから。このサディちゃんの「イっちゃってる」感がハンパなく、苦悶の表情のエースとのコントラストを際立たせる。場面は変わり、インペルダウンに侵入したルフィ、もちろん兄・エースを探すためにやってきたのだったが、エースはいない。ここでオカマのボン・クレーに会うが、このボン・クレーも一度見たら忘れられない風貌でインパクト大。ここで監獄所長のマゼランと追いかけっこ、ここも楽しいシーン。だがルフィは毒に侵され、あわや……でもちゃんと匿われるが(バッチリと復活!)、そこはニューカマーランド、うっとおしいくらいの派手なオカマ達が“これでもか!”というくらいに大勢!また、市川右近演じるチョッパーが“反則的な可愛さ!”でルフィ役の市川猿之助にも負けない存在感を示す。そして2幕のハイライトのひとつは本水を使った大立ち回りで、前列はもちろんビニルシートをかぶっての観劇になるが、そのちょっと後ろにも水が!派手に動き回るキャスト陣、しかもわざと客席に水をかけるという行為を!舞台すれすれのところでスライディング、水が「バシャー」、水を客席にむかって蹴る等、もうやりたい放題!2幕のクライマックスの場面はもちろん猿之助の宙乗りで、サーフボードに乗っての楽しさ満載場面、大きなクジラも空を飛ぶ、プロジェクション・マッピングも絵本のようでワクワクシーン、そこにゆずの「TETOTE」が流れる。歌舞伎に歌、そもそも歌舞伎に主題歌というものはないが、そこはスーパー歌舞伎、何でもあり!観客はここでスタンディングOK、CMにつられてタンバリンを購入した観客は、ここでタンバリンを振る、叩く等で一緒に盛り上がりたい場面、もちろんコンサートと同様に歌うのも、もちろんOK!初演にはなかったタンバリンの影響は大きく、もうタンバリンの音が劇場いっぱいに!(CMにつられて購入した方が良さそう……)客席にはオカマたちも降りてきて、観客大興奮!ハイタッチする観客もいてもう大盛り上がりで「これ、歌舞伎の公演??」と思えるくらいのタテノリだ。なんだかんだで2幕はここで終了。