「演劇で関西から日本を元気に 」をモットーに関西随一の集客力を誇る劇団Patchの東京初進出作品、Patch stage vol.11「JOURNEY-浪花忍法帖-」が本拠地・大阪で開幕した。今作は同一ストーリーを「霧ver.」と「虹ver.」の2バージョンでお届けする劇団Patch 初の役替わりキャスト公演で臨む渾身の意欲作。9月29日、同日に控える「霧ver.」の初日公演に向け行われたゲネプロの様子を写真とともにお伝えします。
「JOURNEY-浪花忍法帖-」は、陰謀渦巻く戦国戦乱の世、大小様々な国が入り乱れる中、忍者大国・浪花の最初忍者である恵比三が城主の命で、ある一人の僧侶を敵国である安須真へと送り届ける旅に出るという、笑いあり涙ありの、クレイジー忍ジャーニーストーリー。
オープニングから心を震わせた。
敵対する二つの国の関係性をテンポよく説明しながらキャスト紹介を行う展開は、これから始まる本編を想像しながら楽しむには十分の満足度を与えてくれるのではないだろうか。
そこから小気味好い疾走感で進む本編もまた、エンターテインメントに溢れ見所満載である。
何と言っても眼を見張るのは殺陣だ。最初から最後まで怒涛の展開を見せる殺陣の数々は圧巻の一言。
そして、それらの殺陣を劇団員8人のみで行われている事実にも驚かされる。
それぞれメインで演じるキャストはもちろん、アンサンブルを含め、重要な役どころのキャラクターまでも全て8人が演じ分けて展開しているという。
一体何人いるんだ、何役やるんだ、どこまでやるんだ、という思いにかられるほどに熱量とがむしゃらさが前面に発揮された舞台だ。
それに加えての役替わりキャストである。
主役の恵比三と、その恵比三の命を狙いつつ共に旅をすることになる忍者・弁才。この二つの役を演じる役者が、「霧ver.」と「虹ver.」と入れ替わる形となっている。命を狙う者と狙われる者、この2人の関係性が役が替わることでどのような見え方の変化をもたらすかを考えるだけでも、是非二つのバージョンを見たくなるものである。