宇宙的な物語だが、ここで描かれているものは普遍的だ。友情、自分探し、迷いながらも何かを見つけるマコたち。言葉や歌の持つ力を信じる静御前や出雲阿国やマリエトワやクリスティーナの姿は健気であり、そして確固たる信念を持った芯の強いキャラクターだ。吠埜りいの、求め続けた千年、さて、その結果は??最後の場面では七夕に願い事を短冊に書くが、何を書いていいのか迷うマコたちはラストでやっと書く言葉を決めるが、それは4人とも計らずも同じ言葉。ほんの少し前進した4人、その景色は明るく、心晴れる。揺れ動き、どうしたらいいのか心が迷子になったりする揺れ動く年頃の機微、こういったところに脚本の良さを感じる。
また各キャラクターに見せ場があり、歌がテーマなだけあって歌唱場面の多いこと!歌稽古の成果か、皆、しっかりと歌唱していたのが印象的だ。クリスティーナ役の花奈澪は元宝塚娘役だけあって綺麗なソプラノが印象的。ナレーションの三森すずこは流石の声の存在感。菅原亜子(玉川来夢)はストーリーテラー的な立ち位置、軽やかにいろんなキャラクターと絡んでいく。共感するところが随所に散りばめられていて、観終わった後は元気になれる、そんな作品だ。