ジョニー・デップの主演映画「ネバーランド」(2004年)、これのミュージカル化がこの作品、「ファインディング・ネバーランド」である。実はミュージカル化は映画版のプロデューサーの希望であった。しかし、そもそもこの作品が描いているのは“演劇”なので、ミュージカル化にうってつけとも言える。
内容は世界的なヒット作品「ピーターパン」の劇作家の物語で、この名作が出来るまでを描いている。しかし、ミュージカル版は映画版をなぞっている訳はない。ストーリーの流れは同じかもしれないが、映画の舞台化というよりは、コンテンツの“バリエーション”という捉え方が出来る。
美しい緞帳に小さな光が動き回るところから始まる。もちろん「ピーターパン」に登場する妖精、ティンカーベルであろうことは容易に想像出来る。それから幕が開く。そこは「ピーターパン」の世界、ピーターが、フック船長もいる、何やら大乱闘中だ。そこへ1人の男性が登場し、舞台中央にやってくる。彼こそが「ピーターパン」の作者である劇作家J.M.バリである。そしてキャラクター達は舞台からいなくなる。それから“本編”の始まり、なんとも“舞台”らしい演出だ。