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【レポート】「王室教師ハイネ-THE MUSICAL-」

アニメを視聴していなくても、もちろん楽しめるが、アニメを視聴していたファンなら、アニメと同じエピソードでも舞台はミュージカル仕立て、時にはオペラ風な表現なので、雰囲気は全く異なることに驚きを感じるだろう。しかし、それはよい意味でのサプライズな演出、アニメとはまったく違うのに、そこに息づいているのは、確かに「王室教師ハイネ」の世界観である。アニメでもハイライトシーン、ハイネの決め台詞「教育的指導です」と教鞭を王子達に向ける場面、その効果音はアニメとシンクロする。また王子達の台詞、アニメと同じ言葉を発しつつも、舞台という表現の異なる手法にのっとっての言葉の紡ぎ方をしている。つまり、ミュージカルというアニメでは全く使わなかった手法をメインに、重厚なコーラスやメロディを配しながら、アニメで表現されていたテイストも取り込むという難易度の高い舞台化、演出始め、スタッフの力もさることながら、それを舞台で表現する役者も揃わないとなかなか出来ないこと。アニメと同役、アニメの演技に引きずられることなく、だからと言ってアニメで構築したキャラクター像は崩さずに舞台でキャラクターを息づかせる。アニメとミュージカル版は全く別物であるが、お互いの表現を尊重しあいながら、なのでアニメを視聴していたファンにとっても納得の舞台化ではないだろうか。
アニメでのラストの回と舞台版でのラスト、「なるほど」と思わせてくれる。ハイネと国王の【企み】、いろんな思いや課題を次の世代に託す、未来を明るくよいものにしたいという思い、実は壮大で大きなテーマ、大掛かりなセットは特に用いていないが、十分にそのテイストは感じられる。驚きと感動とそしてちょっと格調高い雰囲気も楽しめる、しかもミュージカルナンバーは全部で40曲!こういった挑戦はとても大事なことだと思える作品であった。本編終了後は、ちょっとしたお楽しみな歌とダンスがあるので、ここは楽しく参加したい。

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2.5news(編集部)

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