2016年4月16日、秋葉原ベルサールにて、今迄にないライブ・パフォーマンスが行われた。それは『AR Performers βLIVE』。AR Performersとは、優れたスキルを持つプロフェッショナルが集まり、魅力的なAR[拡張現実]Performersを造り上げるプロジェクト。キャラクターデザイナー、CGクリエイター、ミュージシャン、ボイスアクター、アクター、ダンサー、ゲームクリエイター等多彩な才能が集い、得意分野を生かしながら現実世界には絶対に存在しえない圧倒的かつ魅力的なアーティスト 、『AR Performers』を作り上げていく、というもの。
この日は、初お披露目、抽選で当選したオーディエンスは1000人、公演は3回行われた。全てが”リアルタイム公演”、しかも一期一会、つまり、ただ一度きりのパフォーマンスが繰り広げられるという画期的なライブなのである。最新映像技術により展開されるライブに登場する”アーティスト”、個性的で、しかも不思議な”リアル感”、今回は男性アーティスト、シンジ、レイジ(REBEL CROSS)、ダイヤ(REBEL CROSS)が今回、初お目見えとなった。
まずはMC、森一丁、軽快なトークでオーディエンスを盛り上げる。なお、MCからAR Performersの撮影可能とのこと。皆、スマホを取り出し、スタンバイ完了。もちろん、その場でのTwitterもOK。いよいよAR Performers の登場時間となり、観客から大きな声援が、トップバッターのAR Performersのキャラクターのカラーであるブルーのサイリウムがめいっぱい振られる。音楽とともに登場したのはシンジ、歌うは『The World is Mine』、大きな声援、それに応えるシンジのパフォーマンス、まさに”リアル”だ。オーディエンスとシンジが一体となって会場を揺るがす。実は、本日のイベントでは、ライブパフォーマンス中、特定のタイミングでスマートフォンを振るとポイントが加算される“応援システム”が導入されている。普通にその場での掛け声も、もちろんOK、様々な形で応援することが出来るのである。”熱唱タイム”が終わったところで、MC森一丁との掛け合いトーク。シンジへの質問タイム、ターン(一回転)、愛の言葉、その場でなんでもやってくれるシンジに観客は大喜び。シンジの抱負、「ONE&ONLYになりたい」とのこと、また嫌いな食べ物は納豆、玉ねぎ、にんにく(要するに”匂い系”はダメらしい)、最近、料理をするようになったとか(卵焼きが上手くなったそう)。親近感がわくトークにやんやの拍手や声援が飛ぶ。
次なるAR PerformersはREBEL CROSSのレイジとダイヤ、彼らが登場する前に観客はサイリウムをブルーからレッドに、それから2人が登場し、またまた大歓声、楽曲は『THE KISS』、ダンス・パフォーマンスが得意らしく、息の合ったコンビネーションが観客を魅了する。歌が終わったところで、またまたトークコーナー。森一丁と2人のトーク、ちょっとやんちゃ系な感じのレイジ、ワイルドな俺様的なダイヤ、「REBEL CROSS!」と掛け声にちゃんと応える2人、レイジは「この場所からREBEL CROSSが始まる。目撃者であり、共犯者だ、覚悟しろ!」とシャウト、ダイヤは「世間から白い目で見られろ!」と観客を煽る。ダイヤは「でかいことがやりたい」と抱負を述べた。レイジの夢は「紅白!」、会場から大きな拍手が起こった。この日が誕生日、という観客が2名いたが、名前入りで「誕生日おめでとう」を呼びかけた。なかなかサービス精神旺盛なREBEL CROSSであった。
それから、このAR Performersをプロデュースした内田明理が登場し、挨拶。「現実と仮想の境を超えるキャラクター」の創造が夢だったそうで、今回それが実現したことになる。これから積極的にライブパフォーマンスをメインで展開するそうで、観客から大きな拍手が起こった。それからシンジとREBEL CROSS、応援ポイントの集計がでた。多くポイントを獲得したのはREBEL CROSSであった(2回目公演)。また観客の無茶ぶりに応じて、ダイヤはバク転をしながら退場、イベントは終了した。
いわゆるバーチャルキャラクターではあるが、生身の人間のように観客やMCと会話したり、リクエストに応じてその場でパフォーマンスをしたり、声援に応えて声のする方に手を振るという今迄になかった”アイドル”の登場、公演毎に違うトークが出来る、それはかつての常識を覆す。仮想と現実の狭間に息づいているキャラクターが舞台に上がり、リアルな行動を取るのは驚くべきこと、21世紀らしいプロジェクトだ。
今後は様々な展開も予定しており、AR Performers、まずはシンジ、レイジ(REBEL CROSS)、ダイヤ(REBEL CROSS)の活動を見守っていきたい。
取材・文・撮影/高浩美
(C)YUKE’S Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.