「月刊Gファンタジー」(スクウェア・エニックス)で2013年12月号より連載中の「王室教師ハイネ」、2017年の今年にアニメ放映もされ、9月7日よりミュージカル化される。この作品の演出をする吉谷光太郎さんに舞台版の見どころや作品の世界観等の話をうかがった。
「5人とも本当に際立って、粒立っている主演クラスの人達なので……面白いです」
吉谷:演劇好きな人とアニメ好きな人双方から結構センセーショナルなニュースとして捉えて頂いたのかなって思っています。舞台版とアニメは同じ俳優(声優)さんが務めるので、まさにキャラクターの声がシンクロしている……凄く新しいことが始まるんじゃないか、意欲的なことをやってるっていうお声は頂いていましたね。
吉谷:廣瀬大介君は、ずっと今まで舞台俳優として活躍されてきましたが、アニメとの連動企画という点においてはもの凄く上手くハマった感じ。僕は大介とはミュージカル『ヘタリア』でご一緒させてもらってて、とても力があって頭のいい人だなと。そういう彼がオバカキャラを演じることが面白いなって思ってました。
吉谷:テストの点数が取れないことで落ち込んでるところを全力で演じてくれているので楽しませてもらっています。安里勇哉君も、以前ご一緒した舞台での役とは真逆で……無口っていうのは舞台上では難しい(笑)。
吉谷:安里君の魅力は喋ってないのに絵になる人。元々の地のキャラクターとそんなにズレてない気がする。落ち着きもあるし。
あと彼が演出席にやってきて、『吉谷さん、ここ、ちょっとこう……出来ませんか』みたいな。“もそっ”てそういうことを言う(笑)。「ああ~いいよ、全然いいよ」って返すんです。
吉谷:お兄ちゃん的な感じですね……ハイネの植田圭輔君は、出来る人なのはもちろん知っていますし、ミュージカルもご一緒させてもらっています。教師という役柄は一言の台詞の説得力によってその真実味が増すので、難しい役だと思うんですよ。見た目の容姿に反して求心力や言葉の説得力があるところに面白さがある。この役は本当に植田君でよかったって思います。演技経験が少ない方だったら、なかなか教師っていう役柄の説得力は出せないだろうと。経験値のある彼だからこそ、この4人の王子を説得させる、屈服させることが出来るんじゃないかって思います(笑)。安達勇人君は、結構面白い人だよって植田君や廣瀬君から聞いておりまして「どんな人かな」と思ったら、想像以上に面白い人でした!一生懸命で、人懐っこくてたぶんいじられるタイプ(笑)。
吉谷:そうですね。第一印象で人って7割ぐらい理解できると思っているんですけど、本当にそうですね。
吉谷:植田君に事前に「死ぬ程、歌上手いですよ」って言われてました(笑)。で、本当に透明感のある声で、でも歌だけじゃなく他の能力も本当に高いんです。彼は本当にセンスのある人で、演技アイデアがとても素晴らしいです。
5人とも本当に際立って、粒立っている主演クラスの人達なので……面白いです。