【3.0レポート】OPERA「セヴィリアの理髪師の結婚」

OPERA「セヴィリアの理髪師の結婚」

有名なオペラ、ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」とモーツァルトの「フィガロの結婚」を大胆に合わせてしまった「セヴィリアの理髪師の結婚」、“そんなことが出来るのか”、“大丈夫なのか”、と考えるオペラファンはたぶん決して少なくはないだろう。ただ、この2つのオペラの戯曲、原作者はボーマルシェ(1732年〜1799年)、「フィガロ三部作」(「セヴィリアの理髪師」「フィガロの結婚」「罪ある母」)で知られた18世紀の劇作家であるが、劇作を専門にしていた訳ではなく、音楽師や宮廷人、実業家等様々な経歴の持ち主である。そして「セヴィリアの理髪師」の3年後の物語が「フィガロの結婚」となる。
つまり論理的には2つの物語はつながっているので、一緒に上演は不可能ではないが、ロッシーニとモーツァルト、同じキャラクターでも解釈や声が異なるので、そういった側面から見ると一緒に、というのは困難である。例えば「セヴィリアの理髪師」のフィガロはバリトンであるのに対して「フィガロの結婚」ではバスである。またアルマヴィーヴァ伯爵も「セヴィリアの理髪師」ではテノールで「フィガロの結婚」ではバリトンだ。こういった違いをどういう風にのり越えるのかがポイントとなる。

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2.5news(編集部)

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