【オフィシャルレポート】「マリアと緑のプリンセス」

“いのち”のミュージカル 「マリアと緑のプリンセス」
大好評につき2017年夏、再演!

昨日8月24日、 全労済ホール/スペース・ゼロにおいて「マリアと緑のプリンセス」のゲネプロが行われました。 “いのち”のミュージカルと銘打たれた本作は、 主人公・マリアが通う劇団ボアベールで様々な夢を追いかける少女たちの悩みや葛藤を描いた作品となっています。

ミュージカル女優を夢見るマリア(加藤梨里香)は病床の母親・ケイト(吉川麻美)の看病をしながら、 家族の面倒を見てくれている恩師・マシューが運営する劇団・ボアベールに通う少女。 幼少期からマリアは、 自分を呼びかける心の声に気付いていました。 その声の主は緑の星のプリンセス……。

現実の生活と将来の夢の狭間で悩みを抱えるマリアの葛藤を、 『劇団ハーベスト』で活躍中の加藤が2年ぶりに好演。 2年前に「花より男子 The Musical」で3,000人を超えるオーディションを勝ち抜き、 ヒロイン・牧野つくし役を射止めた加藤の実力は本物で、 今作でも繊細な思春期の女性の心の移り変わりを、 歌で、 演技で、 細やかに演じきっていました。

「マリアと緑のプリンセス」ゲネプロ(c)STAGE DOOR

劇団で子ども達に演技を教えるビリーを演じるのは小野田龍之介。 「三銃士」や「ミス・サイゴン」でも圧倒的な歌唱力と表現力で確かな存在感を示している小野田は、 「マリアと緑のプリンセス」の前身となる作品「葉っぱのフレディ」でも子役時代から活躍し今に至ります。 大舞台での座長も経験し、 益々磨きのかかったその圧巻の歌唱力とダンスは必見。

演出家を目指し、 劇団では演出見習い兼掃除係として働くトニーを演じるのは、 演劇集団『D-BOYS』の山田悠介。 山田はミュージカル初挑戦ですが、 前出演作終了と同時に個別レッスンを申し出たというだけあって、 与えられたダンスパートや歌唱シーンで披露されるパフォーマンスは、 とても初挑戦とは思えない仕上がりです。 さらに元々定評のある演技力でコミカルなキャラクターを演じきり、 今作より登場したトニーの存在は、 劇団内の和やかな雰囲気を醸し出すことに見事に成功していました。

そして最大の目玉は、 今作よりの出演となるマシュー役の中村鴈治郎。 歌舞伎界で知らない人はいない当代の四代目・中村鴈治郎が演じるマシューは、 陽気な日系ハワイ人で、 かつてラスベガスでショーのプロデューサーを務めていたという人物。 父親を早くに失くしたマリア親子を公私共に支えるマシューを、 おおらかな包容力で演じます。 座組全体の活力を体現するような力強い歌声と演技は圧巻の一言。 こちらもミュージカル初挑戦とは思えないパフォーマンスを披露しており、 ミュージカル俳優としての鴈治郎の姿をぜひ多くの方々に見ていただきたいと思います。

「マリアと緑のプリンセス」ゲネプロ(c)STAGE DOOR

「マリアと緑のプリンセス」ゲネプロ(c)STAGE DOOR

「マリアと緑のプリンセス」ゲネプロ(c)STAGE DOOR

「マリアと緑のプリンセス」ゲネプロ(c)STAGE DOOR

物語のテーマは、 「命のあり方」や「人を思う気持ち」がとても丁寧に描かれているシンプルなもの。 単純なテーマほど見えにくくなってしまうこともありますが、 本作では狭き門をオーディションで勝ち抜いたジュニアキャストが素晴らしい才能を披露し、 作品の一部として、 「子役」ではなく“プリンシパル”をしっかりと演じてることで、 テーマをしっかりと浮き彫りにさせました。 彼女たちから放たれる言葉や歌詞が厳しいレッスンを積み重ねて掴み取った境地のパフォーマンスであるからこそ、 単純にして純粋な物語のテーマが、 しっかりと観客の心に届くのです。

鴈治郎と山田の“新たなる挑戦”と、 子ども達が体現する無限の可能性。 加藤や小野田、 吉川らのハイレベルなパフォーマンスに包まれ、 確かな実力を持ったキャストが結集し、 描かれた「マリアと緑のプリンセス」。 良質なエンターテインメントとしてはもちろんですが、 夏休み最後の思い出として、 ぜひとも家族揃ってご観劇ください。 東京公演は8月27日(日)まで全労済ホール/スペースゼロにて。

オフィシャルサイト  http://stage-door.co.jp/musical2/

「マリアと緑のプリンセス」ゲネプロ(c)STAGE DOOR

2.5news(編集部)

2.5news(編集部)