舞台化発表から話題性の高かった「煉獄に笑う」の舞台化、原作者唐々煙による大蛇をめぐる運命と戦い、唐々煙の作品である「曇天に笑う」よりおよそ300年ぐらい前の物語である。時代は天正、戦国時代のまっただ中、300年に一度、日ノ本の琵琶湖に甦ると言われる伝説の化け物「大蛇(おろち)」その大蛇には絶大なる力が宿るという言い伝えがあり、武将たちはそれぞれにその力を追い求めていた。織田家家臣の羽柴秀吉の命を受け、大蛇に繋がる髑髏(どくろ)鬼灯(ほおずき)の謎に挑む石田佐吉(後の石田三成)。大蛇に関わり合いがあるとされる曇(くもう)神社の八代目当主である曇芭恋と阿国を巻き込んで織田家の対抗勢力である伊賀の百地家の当主である百地(ももち)と丹波(たんば)との一戦を迎える……というのがだいたいのストーリーだ。
数々の人気作の舞台化を手掛けており、本作の脚本・演出の西田大輔さんから特別コメントが到着した。
西田:歴史のifを大胆に構築しながら、根底にある歴史観がしっかりとされているので、驚くんですね。これを
両立させるのは、とても難しいことですから。その上での疾走感がとてもいいなと思っています。
戦いも盛りだくさんではありますので、一見お芝居にすると殺陣があったり舞台栄えしそうな雰囲気も
ありますが、中々に手強い作品だと僕は思っているんです。とにかく充分に原作が面白いので。
粋であること、それが作品に散りばめらている所が、最大の魅力だと思います。
西田:拡樹くんもつばさ君も今とても勢いのある俳優ですが、勢いだけじゃない堅実さと誠実さが俳優としてあると思います。
前島亜美ちゃんの一途さも絶妙に二人とバランスがあいますし、ベストなキャスティングですね。
吉野さん、角川さんは言わずもがなですが、浅田舞ちゃんを始めとする俳優たちが、一つ上のスケールに舞台を持っていってくれている、
そんな風に思っています。
舞台を狭いと感じさせる空気が稽古場にもうあるんです。
西田:一つ間違えば、原作世界を損ねてしまう。それぐらい繊細に、俳優、スタッフ、そして製作陣たちと
創っています。新しい舞台の始まりにふさわしい、原作世界の中で、舞台なりの疾走感を出したいと思っていますので
楽しみにしていてください。
西田:「新しい観客」を呼び込む力を作ったのは、間違いなく2.5舞台だと思っていて、その力はすごいなと。
逆に今こそ、創り手も俳優も真価が問われると、思うんです。それぐらい、可能性もありますし、
何より劇場に喜びが溢れてる。熱狂って、簡単に創れるものじゃないんです。絶対に。
それを軽く凌駕する力がある気がしていて、恐ろしいとさえ思います。(笑)
まだまだ行く気がするんですよ、それが一番の面白さなのかもしれないと思うんです。
西田:驕ることなく真っ直ぐ皆と創っています。初めての舞台化です!楽しみにしていてください!
舞台「煉獄に笑う」(読み:レンゴクにワラウ)脚本・演出:西田大輔
原作: 「煉獄に笑う」唐々煙(掲載「月刊コミック ガーデン」/WEBコミック「MAGCOMI」)
テーマソング:和楽器バンド「雪よ舞い散れ其方に向けて」(エイベックス・エンタテインメント)
キャスト:鈴木拡樹/崎山つばさ/前島亜美/小野健斗 納谷健 碕理人 林田航平 釣本南/山下聖菜 村田洋二郎 平塚真介 東慶介/中村誠治郎/浅田 舞/吉野圭吾・角川裕明(Wキャスト)
<東京公演> サンシャイン劇場 2017年8月24日(木)~9月3日(日)※全16回
<大阪公演> 森ノ宮ピロティホール 2017年9月8日(金)~9月10日(日)※全5回