悩み、迷い、友情、様々な思いを抱えている。子供の頃の思い出、漠然とした不安や期待、大人になって自分は何をするのか、キャンプ場でのアドベンチャーという“スタイル”を取っているが、実に内省的な物語だ。しかし、そこはエンターテイメント、エテモン(オレノグラフィティ)の“破壊力”、出てくるだけで可笑しいし、エテモン5も、もう抱腹絶倒だ。アグモン始め、パートナーデジモン達はパペット、これが皆動きが可愛らしく、ついつい見入ってしまう。2幕の後半では超進化した姿(実物大!)が出てくるが、これは凄い!としかいいようのない出来映えで、ここはファンならテンションが上がるところであろう。デジモンはデジタル生命体という設定であるにも関わらず、アナログ表現、観てるうちにちゃんとデジモンに見えてくるので、ここは“演劇のマジック”。エテモンもデジモンではあるが、この作品唯一の生身の人間が演じるデジモン、変わりっぷりは必見。ラストのバトルで大興奮な場面が展開、ここは観てのお楽しみだ。
このキャンプでのアドベンチャー、これは泡沫の夢だったのか、そこは観客に委ねられるところ、太一始め、ほんの少し大人に近づいた瞬間に成長する、進化する、そして友との友情、デジモンとのつながりを感じたはずだ。ひと夏の冒険を劇場で太一達と一緒に!