第2幕の最初の試合は乾 貞治(加藤 将)vs柳 蓮二、実はこの2人、かつてはコンビを組んでいた仲、つまり互いのことは知り尽くしている。「4年と2ヶ月と15日」という台詞がある。2人が別れてからの日数である。ある日、地面に横になって空を見る少年2人、ずっとパートナーでいたい旨を言う乾、しかし、対戦したことがなかったので、勝負しないかと柳は乾を誘ったが、ゲームは途中までしか出来なかったのであった。乾は「あの日の試合は終わっていない」と言う。友情とかそういう言葉で表現するのは簡単だが、それ以上の響きもある。テニスを通じて心が通い合う瞬間に言葉は要らない、“真剣勝負”あるのみだ。ベンチで見守る青学メンバーも思わず力が入る、熱いシーン。そして次の試合は不二周助(定本楓馬)vs切原赤也、立海には3人の強者がいる。それは部長の幸村精市、副部長の真田弦一郎、柳 蓮二、その3人に追いつき、追い越したい切原、もっと上に、3人を超えたい、そんな上昇気質なキャラクターを前田隆太朗がテンション高く演じる。
2幕後半の、最後の試合は越前リョーマvs真田弦一郎、「俺はアンタに勝ってやる!」とリョーマは叫ぶ。「無我の境地」でリョーマは1ポイント取るが、真田は奥義である「風林火山」を発動(照明・映像駆使!)、リョーマは善戦するもかなり体力を消耗してしまうが……。真田と幸村の友情や手塚国光(宇野結也)のリョーマに対する想いも合間に挟み込んでの展開、こういった表現は舞台ならでは。そして「俺はアンタを倒して全国に行く!」、追い込まれても落ち着いている皇帝・真田。田鶴翔吾がよく通る声でパワフルに演じるが、対するリョーマ役の阿久津仁愛、負けじとパワー全開でここは原作同様に見どころとなっているが、この戦いの先に見える景色は?ここは観てのお楽しみ。
“本編”終了後は、全キャストと一緒に“テンションアゲアゲ”タイム!青学、立海、見守る立場だった六角、みんなでワイワイ。これがミュージカル「テニスの王子様」!新曲は全部で11曲、こちらも楽しみだ。