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【レポート】ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs立海

舞台は出だしはいつもの、あの音、ボールの音、歓声と拍手、それから幕開き、「いよいよ始まる」という雰囲気を醸し出す。越前リョーマ(阿久津仁愛)、客席通路から登場する。舞台上には立海のメンバーがいる。「勝つために戦う」と言う立海メンバー、強豪らしい発言だ。オープニングは作品を知らない観客でも入りやすく登場人物のキャラクターをわかりやすく歌やダンスで見せる。わかっている観客にとっても、ここはテンションが上がる瞬間。全国大会2連覇、それだけに皆、プライドが高い。部長の幸村精市(立石俊樹)は病を得て入院中、副部長の真田弦一郎がテニス部をまとめているが、他人にも自分にも厳しい性格、それだけにメンバーからの信頼も厚い。関東大会前、切原赤也と越前リョーマ、偶然遭遇、切原と試合をするリョーマ。ここの下りは切原赤也の好戦的でアグレッシブな性格がよくわかる場面となっている。
そしていよいよ関東大会の決勝、両校の部長が握手を交わす場面、堂々としている真田とは対照的にちょっと腰が引けている大石秀一郎(松村 優)、「胸を借りるつもり」という態度であったが、ハッと思い「俺たちは勝つために来た!」と宣言してしまう。そしてはたまた我に返って「しまった〜言っちまった〜」的なそぶりがなんとも可笑しくも微笑ましく、部員たちはそんな大石を励ます。試合前のちょっとほのぼのシーンで、心温まる。
試合シーンはどの場面も熱く手に汗握る。コミックやアニメを予めチェックすれば、おのずと勝敗はわかるが、それでもついつい見入ってしまうのが「テニミュ」のマジックだ。1幕の試合シーンは“青学、危うし!”な場面。圧倒的な強さを見せつける立海。あの海堂・桃城が、あのゴールデンコンビが……ぎりぎりまで死闘を繰り広げる。関東大会の決勝戦、負けられない戦い、一歩も引けない緊迫した試合が続く。

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2.5news(編集部)

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