時は遡る、時代は1980年代後半、とあるファッションショーの裏、モデルやスタッフ達が忙しくしている。そこへカリスマ性たっぷりの女性が登場、名は入江ユキ、絶対的な自信があるのか、横柄で高慢だ。スタッフにも取材の記者に対しても尊大だ。機嫌が悪くなり、外へ出る、車を飛ばすために。あっと言う間に事故、入江ユキは自覚しないままこの世を去る……。
ここまでの展開が実にスピーディー、あっと言う間にユキは幽霊になる。死んだことがわからないまま現場に戻り、そこで目の当たりにしたのは「自分がいかに嫌われていたか」ということ。罵詈雑言ばかりでユキは怒り心頭、しかしその姿はスタッフ達には……ユキは幽霊になってしまったので、もちろん誰にも見えないのだ。そこへ案内人と自称する男がやってきて「あなたはお亡くなりになったのです」と告げる……。なにがなんだかわからなくなったユキは逃げ出し、彷徨う……午前0時「魔法が解ける時間ね」とつぶやいたユキに立ち止まって振り返る人がいた……思いが強い霊は0時から3時間だけ見えるのであった。振り返った人物、ちょっと貧乏な学生・服部光司であった。