主な登場人物は5歳の子供で日本なら幼稚園の年中組、といったところだろうか。物語の舞台はオーストラリアで、小学校に入る前に読み書きや数字の数え方を学ぶために1年間の準備学級が設けられているが、そこに入る3人の子供の話。メインの登場人物はクリント、レップ、テオ。レップは姉と一緒にカンボジアから来た難民、言葉も文化も異なるところでいきなり集団生活をすることになる。
オーストラリアは移民で成り立っている国、1606年にオランダ人がこの大陸に到達したが、1828年にイギリスの植民地となり、先住民族から土地を取り上げた。1850年代にはゴールドラッシュ、中国系移民を排斥する動きが起こり白豪主義となった。戦後は白人移民は減り、人口増加が鈍化したため、1980年代からは世界中から移民を受け入れるようになり、多文化主義へと移行、朝鮮戦争やベトナム戦争にも積極的に参加し、その後ベトナム移民を多く受け入れた。ちなみに2003年のイラク戦争にも参加している。この作品が書かれたのもちょうどこの頃、1986年、イギリスで初演されている。