なお、市村正親さんの特別会見も執り行なわれた。
「いよいよ稽古が始まります」と開口一番。『NINAGAWA・マクベス』はまず6月に香港で開幕し、彩の国さいたま芸術劇場で上演のあと、佐賀で公演し、10月にはシェイクスピアの本場、イギリスで開幕、長丁場な公演となる。初演は1980年に遡り、主演は故平幹二朗、その後、1985年にスコットランドで行われた「エジンバラ国際フェスティバル」での公演が実現し、好評を博し、海外からの招聘が増えていった、エポックメイキングな作品である。この作品について市村正親さんは「平さんと創った『NINAGAWA・マクベス』は凄いと思います。古くならない、30年以上前に日本のスタイルで創ったもので(今でも)斬新!」と語る。「“疾走するジジイであり続けたい”の言葉通りで」と語り、「台詞の一言一言、思いがこもっている」と言い「数多くの名作を残した蜷川さんの『NINAGAWA・マクベス』を背負えるのは俳優冥利に尽きる」としみじみ、「迂闊なものはだせない」と語り、「怪我のないように、がまず(大事)」と気を引き締める。観客もそうだが、故蜷川幸雄氏と同じ時代に生きていることの奇跡と幸福、そのことについてさらに市村正親さんは「リチャードの役を市村でやろうと思ってくれたこと、そして凄く嬉しかったのは“次はハムレット、やらせたくなった”って言ってくれて、“台詞で勝負したい”って言ってくれたのが俳優として嬉しい」とコメント。同じ時代に生きたからこその出会い、だからこその“奇跡”。市村正親さんは若かりし頃は故西村晃さんの付き人をしていたそうで「若い頃に苦労してよかかった」と語る。
2015年の上演の際に台本にサインをもらったそうで「千秋楽の1週間前ぐらいだったか、稽古をつけてくれた時に書いてもらったんです」と語り、台本を見せてくれた市村正親さん。そこには“市ちゃん 頑張った”と大きく書かれている。「今回もこの台本を使います。ニーナ(蜷川幸雄氏の愛称)のダメだしもたくさん、いろいろ書いてあるので、読んで思い返したり……」と笑顔。台本は「お守り」というが、これは最強のお守り!最後に公演PR、「(田中)裕子さん、あっての『NINAGAWA・マクベス』、日本の桜の話になっているし、衣裳も綺麗だし。『NINAGAWA・マクベス』の世界を堪能してください」と締めくくり、会見は終了した。
【公演データ】
『NINAGAWA・マクベス』
香港:6月23日~25日
埼玉:彩の国さいたま芸術劇場 7月13日~29日
佐賀:鳥栖市民文化会館 8月5日・6日
英・ロンドン:10月5日~8日
英・プリマス:10月13日・14日
シンガポール:日程未定
Page: 1 2