【3.0レポート】「ダニーと紺碧の海」

撮影:引地信彦

なお、ゲネプロ終了後に会見があった。登壇したのは松岡昌宏、土井ケイト、そして演出の藤田俊太郎。この3人に共通しているのは、今年1周忌を迎える故蜷川幸雄氏の“弟子”ということ。松岡昌宏は幼い頃に稽古をつけてもらったと言う。土井ケイトは19歳の時に蜷川幸雄が主宰するさいたま ネクストシアター旗揚げメンバーのオーディションに約30倍の競争率の中、合格した新進気鋭の演技派女優。藤田俊太郎は2005年から2016年まで、蜷川 幸雄作品にスタッフとして関わっている。松岡はジャニーズJr.時代に稽古をつけてもらったと言い、「新しいニナガワイズムで挑戦出来たら」とコメント。藤田は「灰皿や怒号は飛ばさず、愛情だけ飛ばしました」とコメント、松岡、土井に関しては「この2人は優秀です」と太鼓判を押したが、芝居に安定感があり、出ずっぱりの2人芝居、集中力は並大抵ではない。また藤田は「蜷川さんのことは毎日想っています」と語り「(もう)観てくれていると思います」と師匠に想いを馳せた。土井も「蜷川さんがいなかったら今の私は存在しない」としみじみ、さらに「毎日の舞台を全力で板の上で生きていたい」と語ったが、全身全霊で演じる姿は迫真に迫る。
ミュージカルのように歌ったり踊ったり、あるいは派手なアクションや殺陣も、もちろんない、2人きりの台詞劇。松岡は「節々にきますね」と笑っていたが、感情を爆発させる瞬間はかなりのエネルギーを使う。怒鳴る松岡に対して全力で返す土井、2人のやり取りは観ているこちらまで熱くなる。「毎日、ロバータを死ぬ気で愛します」と語る松岡。
一度舞台に上がったら後には引けない、たった2人で突っ走る、覚悟とパッションとそして体力と集中力。この熱い芝居、東京は21日まで。

【公演データ】

「ダニーと紺碧の海」
2017年5月12日〜5月21日
紀伊国屋ホール
2017年5月27日〜5月28日
兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

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2.5news(編集部)

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