衝撃的なプロローグの後は、オープニングの曲がかかり、アニメと同じモノローグ、そしてスパイたちが次々と登場する。ここはアニメシリーズのオープニングと“相似形”であるが、Production I.Gのクールなイメージを上手く舞台にのせた格好で、シリーズを視聴していたファンは「そう、そう」と頷けるし、観てない観客は「かっこいい」とアニメにも興味が持てるはず。
昭和14年、佐久間中尉は武藤大佐の命令でD機関の訓練生と共にスパイ疑惑のあるジョン・ゴードン邸を家宅捜索することになった。憲兵隊に偽装してゴードン邸を訪れ、捜索するも彼がスパイである証拠は出てこなかった。「何も出なかったらその場で腹を切る」ことになってしまった佐久間中尉は窮地に立たされるが……。
原作のスリリングな展開とアニメのスタイリッシュな雰囲気とが上手く舞台上で融合し、文字通り生きもつかせぬ空気感。原作を読んでいればその後、佐久間はゴードンはどうなるのかはわかっているのだが、それでも見入ってしまう。1幕はアニメの第1、2話の「ジョーカー・ゲーム」、2幕は11話の「柩」から。