【3.0レポート】KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 「春のめざめ」

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
「春のめざめ」

 2016年から芸術監督に就任した白井晃が2年目となる2017年度で初演出する舞台「春のめざめ」は、かねてから上演を熱望していたドイツの劇作家、フランク・ヴェデキント作の名作戯曲。新たな才能の発掘と育成を目指し、主要キャストには注目を集める若手俳優を起用するとともに、昨夏から秋にかけて実施したオーディションからも複数の若手俳優を選抜した。2014年『烈車戦隊トッキュウジャー』に出演して注目を集め、 累計発行部数420万部を記録する人気コミック『きみはペット』の14年ぶりのテレビドラマ化で主役にも抜擢されている志尊淳が、自身初のストレートプレイで初主演、演じるは、物語の中心人物となるメルヒオール役。志尊淳演じるメルヒオールの同級生でヒロインのヴェントラ役に、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』でGMTのメンバーの一人を演じて注目され、今年は映画『雨にゆれる女』でヒロインを務めるなど成長株の女優、大野いと。さらに、ファッション誌、バラエティ番組、映画、舞台、執筆活動と次々に活躍の場を広げている栗原類が、本作オーディションに参加して白井芸術監督の目に留まり、メルヒオールの友人で作中重要な役割を担うモーリッツ役に抜擢。
友人役には、小川ゲン、中別府葵、北浦愛ら、若手俳優を起用。また、若者達を抑圧する両親や学校の先生役に、あめくみちこ、那須佐代子、河内大和、大鷹明良といった話題の舞台作品に欠かせないベテラン勢が揃った。
 実はこれに先がけてミュージカル化もされているのだが、ロック・ミュージカルとして2006年にブロードウェイで開幕され、第61回トニー賞でミュージカル作品賞を含む8部門で受賞した。こちらは日本では2009年に劇団四季が上演している。
 物語の舞台は19世紀末のドイツ。少年少女の性への無知と周囲の大人の無理解による悲劇を描いている(原副題は「子供達の悲劇」)。原作戯曲は1891年に初演されているが、その内容で社会問題になり、20世紀前半まで上演が禁止されていた。

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2.5news(編集部)

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