【3.0レポート】「超歌舞伎」 新作「花街詞合鏡」

また今回の超歌舞伎、音響についての説明、アリーナ席の一部であるが、スピーカーを置いていない客席近くまで「飛び出す音」を作り出す「波面合成技術」という新たな音響再生技術を用いて超歌舞伎会場に総延長36mにわたる240台のスピーカーを客席を囲むように密に並べ、客席にまで飛び出す迫力のある音を作るという試みを行った。実際に座ってみるとかなり近い距離感で効果音が聞こえるが、座っている位置で聞こえ方は少々異なるようである。無論、まだ実験段階であるが、もう少し技術が進めば、音の体感もかなり違ってくるだろうことは想像に難くない。

ここ2〜3年であるが、この超歌舞伎もそうだが、3Dを使った演劇やバーチャルリアリティのミュージカル、イリュージョンを使ったアクションシーンのある演劇と最新技術を駆使したものが出現している。表現の多様化、その逆である終始、ローテクな演劇ももちろん健在だ。超歌舞伎を通じて表現の可能性、それを単なるアトラクションにせず、芸術として昇華させ、新しい演劇シーンの創造、時代の扉を開けなければ次のステージには進めない。

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2.5news(編集部)

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