そこから第一場、郭のシーンに移る。花魁道中、葛城太夫の艶やかな姿を見つめる町娘の未来、その姿に憧れ初音太夫として郭で随一の花魁となるが、その可愛らしい姿に「初音屋!」の声も。
物語は進行するが、この初音ミクの動きが昨年よりも滑らかに感じる。見どころは立回り、八重垣紋三vs蔭山新右衛門の“分身”同士の対決!ここはハイライトシーン、また従来の歌舞伎の手法、基本は歌舞伎であるのだが、より派手な見せ方で、従来の歌舞伎よりもさらに華やかにそしてRockなテイストで観客に提示する。スクリーンに映し出された花街の艶やかさ、燃え盛る炎、龍が舞う、こういったシーンの映像に観客は釘づけ。印象的でスタイリッシュな映像でスピーディーに展開する。歌舞伎の演出では常套手段の引き抜きでの衣裳早替りもあり、終始、テンション上がりっ放しの舞台、ラスト近くは中村獅童が観客を煽る、煽る!タテノリな歌舞伎、だからこその“超”、楽曲も従来のものに加え、Rockな楽曲もあり、大いに盛り上がった約1時間の公演、観客席は全て満席、立ち見も出る程の大盛況であった。また、昨年に引き続き、台詞が中央のスクリーンに映し出され、歌舞伎ビギナーに優しい配慮もあり、終始、楽しい舞台であった。