【3.0レポート】Theater LOV第2回公演 「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」

ベアトリーチェ・チェンチが生きた時代、彼女が置かれた立場は辛く、厳しい状況であったが、単に“可哀想”と言い切っては、この物語、彼女の“生”は語れない。この舞台作品にはもしかしたら正解も答えもないのかもしれない。そこはそれぞれの観客に委ねられている部分、肖像画と同じ、被写体を見る人間のフィルターは皆、違うから様々な解釈が可能だ。さらに肖像画はその時代や社会における人間の在り方や歴史によっても大きく変わる。タイトルも「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」、あくまでも“肖像”、たぶん、再演されるたびに少しづつ変わっていく作品、それは古典作品が色々な解釈や演出で上演されるのと同じ次元。そういった“のびしろ”を感じさせる作品だ。

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2.5news(編集部)

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