時期:2017 年 9 月 8 日(金)~25 日(月)
劇場:Bunkamura シアターコクーン
主催・企画制作:ホリプロ
後援:イスラエル大使館
「羅生門」「藪の中」「蜘蛛の糸」「鼻」といった
芥川の代表作と芥川の人生そのものも絡ませ、一つの物語にまとめあげる意欲作!
生きるために必要な悪、必要悪という人間のエゴイズムを克明に描き出した「羅生門」を中心に物語は展開していきます。仕事を失い途方にくれる下人(「羅生門」主人公)が、悪に手を染めても生き抜く道を選ぶ、その選択をするまでの数秒間に下人の脳内でおこったことをファンタジックに描きだします。演出家オリジナルのユニークな百鬼(妖怪)達が登場し、まるで心の声のように、登場人物たちを操っていきます。
「藪の中」、「蜘蛛の糸」、「鼻」は下人の記憶や妄想、そして白昼夢のように組みこまれ、芥川世界がまるで一つの宇宙のように舞台上に浮かびあがることでしょう。
ミュージカル『100万回生きたねこ』で、私達を驚かせてくれたイスラエルの鬼才が、5年の構想期間を経て、ついに挑む待望の新作!
2016年に鶴屋南北戯曲賞を受賞し、2017年の岸田國士戯曲賞に選出されるなど、活躍目覚ましい長田育恵さんが戯曲を手掛けます。また演出・振付・美術・衣裳を手掛けるのは、ミュージカル『100万回生きたねこ』の瑞々しい演出で私達を驚かせてくれたイスラエルのインバル・ピントさんとアブシャロム・ポラックさんです。二人は芥川作品を読み、哲学的な面白さはもちろんのこと、現実とファンタジーが鮮やかに混ざりあう世界観に圧倒されたと言います。
音楽は、前出のミュージカル『100万回生きたねこ』でも演出家の世界観を見事音楽で体現してみせ、絶大な信頼を得ている阿部海太郎さんを中心に、青葉市子さん、中村大史さんといった才能豊かな方々にオリジナル音楽を作って頂き、6人の個性豊かなミュージシャンに生演奏して頂く贅沢な仕立てです。
個性派かつ演技派キャストが大集結!
「羅生門」の下人には柄本佑さん、そして下人が象徴する芥川に多大な影響を与える女性には満島ひかりさん、圧倒的演技センスを持つお2人に演じて頂きます。また、常に下人と対峙する男役を、
活躍目覚ましい吉沢亮さんに演じて頂きます。ご想像に安く、この3人の因縁は「藪の中」で決定的なものになります。また田口浩正、小松和重さん、銀粉蝶さんといった個性的な面々を中心に、日本を代表するダンサー達が百鬼として舞台を彩ります。
◆インバル・ピント&アブシャロム・ポラック
イスラエルの演出家ユニット。インバル・ピント(女性)が主に振付、美術を、俳優としても活動するアブシャロム・ポラック(男性)が芝居の演出を担当。二人で共同演出をするスタイルで、1992年よりINBALPINTO & AVSHALOM POLLAK DANCE COMPANYを立ち上げ、イスラエル国内だけでなく、世界各国で公演を行う。2013年にはノルウェーのオペラハウスにて、オペラ『The Cunning Little Vixen』で独創的な演出、美術を手掛け話題をさらった。
1997年、98年と続けてアメリカン・ダンス・フェスティバルの国際振付プログラムに招聘される。
2000年には、ニューヨーク・ダンス&パフォーマンス賞を受賞。また、舞台作品の振付を担当するなど活躍の場を広げている。同年、イスラエルの文化賞を受賞。また、芸術の功労に対しテルアビブ市より表彰を受けた。
日本では、『オイスター』(2001年/神奈川県民ホール、2005年/世田谷パブリックシアター)、
『ブービーズ』(2005年/世田谷パブリックシアター)が上演されている。
2007年には、彩の国さいたま芸術劇場にて、共同制作された『ヒュドラ』が、2012年には世田谷パブリックシアターにてカンパニー公演『ボンビックスモリ with ラッシュ』と『ゴールド・フィッシュ』の招聘公演が上演された。
2013年には、オリジナルミュージカル『100万回生きたねこ』(森山未來×満島ひかり主演)を
共同制作し、その年の演劇賞を総なめにした。[読売演劇大賞優秀作品賞、優秀演出家賞、優秀男優賞(森山未來)、杉村春子賞(満島ひかり)](*2015年、成河×深田恭子で再演)。2014年に東京都現代美術館内で新作『ウォールフラワー』、2016年に彩の国さいたま芸術劇場にて『DUST』が上演され好評を博した。
◆柄本佑(Tasuku EMOTO)
1986年生まれ。2003年公開の映画「美しい夏キリシマ」(黒木和雄監督)でデビュー。第77回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞など受賞。その後の主な映画主演作に、「17歳の風景~少年は何を見たのか」(若松孝二監督)「ラッシュライフ」(真利子哲也監督他)「フィギュアなあなた」(石井隆監督)、TV主演作に「ぼくもいくさに征くのだけれど~竹内浩三・戦時下の詩と生」、「生むと生まれるそれからのこと」、「スクラップ・アンド・ビルド」(以上NHK)、「コック警部の晩餐会」(TBS)。最近の主な作品に映画「GONINサーガ」(石井隆監督)、TV「若者たち 2014」(CX)、「天皇の料理番」(TBS)、「あさが来た」(NHK)、「ヤッさん~築地発!おいしい事件簿」(TX)等がある。舞台出演作に、「エドワード二世」(森新太郎演出、新国立劇場)主演ほか多数。ナレーションを務めている「やまと尼寺精進日記」(Eテレ)も好評。映画「追憶」(降旗康男監督)は5月6日の公開になる。
◆満島ひかり(Hikari MITSUSHIMA)
1985年生まれ。97年にユニット「Folder5」でデビュー。2009年公開の『愛のむきだし』(監督:園子温)で多くの新人賞を受賞し、その後、数々の映画、テレビドラマ、舞台に出演。舞台においても、13年度読売演劇大賞杉村春子賞を受賞するなど評価を得る。近年の主な出演作は映画「カケラ」(10/安藤モモ子監督)、「川の底からこんにちは」(10/石井裕也監督)、「悪人」(10/李相日監督)、「一命」(11/三池崇史監督)「北のカナリアたち」(12/阪本順治監督)、「夏の終り」(13/熊切和嘉監督)、「ハロー!純一」(14/石井克人監督)、「駆込み女と駆出し男」(15/原田眞人監督)、舞台「100万回生きたねこ」(13/インバル・ピント、アブシャロム・ポラック演出)「かもめ」(16/熊林弘高演出)、テレビドラマ「シリーズ江戸川乱短編集」(16)、「トットてれび」(16)、「カルテット」(17)。2017年7月より、主演映画「海辺の生と死」の公開が控えている。
◆吉沢 亮(Ryo YOSHIZAWA)
1994年生まれ。2009年、アミューズ全国オーディションで受賞し、芸能活動を開始。映画・ドラマ「仮面ライダーフォーゼ」などを経て、13年「ぶっせん」でドラマ・舞台初主演。主な出演作に、ドラマ「水球ヤンキース」、「地獄先生ぬ~べ~」、「オトナ女子」、映画「アオハライド」、「さらばあぶない刑事」、「オオカミ少女と黒王子」、舞台「ライ王のテラス」(16/宮本亜門演出)他。2017年は映画「トモダチゲーム」(主演)、「銀魂」他多数の公開を控えている。先日、2018年公開の映画「リバーズ・エッジ」(行定勲監督)に出演することが発表された。
Staff
原作:芥川龍之介、脚本:長田育恵、作曲・音楽監督:阿部海太郎、作曲・編曲:青葉市 子/中村大史、演出・振付・美術・衣裳:インバル・ピント&アブシャロム・ポラック、照明:ヨアン・ティボリ、演出家通訳:角田美知代、振付助手:皆川まゆむ、演出助手:西祐子、舞台監督:山口英峰
Cast
柄本 佑、満島ひかり、吉沢 亮、田口浩正、小松和重、銀粉蝶 江戸川萬時、川合ロン、木原浩太、大宮大奨 皆川まゆむ、鈴木美奈子、西山友貴、引間文佳
Musician
青葉市子、中村大史、権頭真由、木村仁哉、BUN Imai、角銅真実
Info
■東京公演
時期:2017年9月8日(金)~25日(月)
劇場:Bunkamura シアターコクーン
主催:ホリプロ
Ticket
チケット料金(全席指定・税込)
S席=\10,800 A席=\8,500 コクーンシート=\6,500
チケット一般発売日=5 月 27 日(土)
・ホリプロオンラインチケット http://hpot.jp(PC & 携帯)
・ホリプロチケットセンター 03-3490-4949(平日 10:00~18:00/土曜 10:00~13:00/日祝休業)
Tour
兵庫公演、静岡公演、名古屋公演あり
公演 twitter = @operashomon
公演 HP = http://operashomon.com/
柄本 佑
初めて舞台上で踊ったり歌ったりします。どんな事が起こるのか全く予想がつかないですが、踊りと歌の練習
が始まり、ちょっとずつ両方の面白さを発見出来ています。やはり初めての事をやるというのは不安ですが、楽しいことのように思います。おもちゃ箱をひっくり返したような世界を創る演出家によって、芥川の物語が、どんなおもちゃになってどんなばらまかれ方をするのか、僕自身も楽しみです。とにかく悩み、苦しみ、楽しめるように頑張ります。
満島ひかり
インバルとアブシャロムの作り出すあの暖かな世界にまた行ける。
彼らの舞台はどれも、愛おしくて懐かしいのです。身体と心を元気にして、観て下さる方の大切なところに届くものにしたい。音楽と踊りの羅生門だなんて、私のイメージではもう大変な光を放っています。インバルが時折口にする「アイラブハプニング」、この舞台に美しいハプニングがありますように。
吉沢 亮
このたび、百鬼オペラ「羅生門」に出演します、吉沢亮です。
今まで経験したことのない表現方法で、自分がどこまでやれるのか楽しみ2割不安8割って感じです。演出のお二人が作り出す、にぎやかで高揚感あふれる空間と、芥川龍之介のエゴイズムや人間の真髄をつく世 界観がどのよう混ざり合うのか今からとても楽しみです。
とりあえずストレッチがんばります。
インバル・ピント&アブシャロム・ポラック
2013年、2015年に上演したミュージカル『100万回生きたねこ』に引き続き、日本で素晴らしいスタッフ・
キャストと一緒にオリジナルミュージカルを制作することができ、本当に嬉しいです。芥川龍之介の作品には、哲学的で深淵なテーマとユーモアが同時に存在します。現実と想像の世界が鮮やかに混ざり合っているところも気に入りました。芥川作品には登場していませんが、日本の妖怪たちに大変興味を持っていて、今回の作品には、私たちオリジナルの妖怪もたくさん登場させたいと思っています。
2013年の『100万回~』で出演してくれたひかり(満島)は当時も私たちをたくさん驚かせてくれましたが、
この4年半で輝きを増した彼女と再び一緒に創作することができ嬉しいです。たすく(柄本)、りょう(吉沢)は初めてですから、二人から何が飛び出してくるか楽しみにしています。