【3.0レポート】タクフェス 春のコメディ祭! 「わらいのまち」

キャラが立った人達が次々と登場し、早とちりに勘違い、すれ違い、そこに誇大妄想が加わって、もう大混乱。キャラクターが出入りするたびに、何か大いなる思い違いをして、どんどんあらぬ方向に話が転がり、もう収拾つかないぞ!という寸前のところで、今度は絡まった糸がほぐれていく。この過程で「ラッキーな人」「残念な人」が出てくるが、この悲喜こもごもな感情もまた愛おしい。
全ては旅館「まつばら」のロビーで繰り広げられるが、これはいわゆるシチュエーション・コメディと呼ばれるジャンルの喜劇。登場人物や舞台を固定させた一話完結型、設定や筋書きの仕掛けで笑わせるもので、ニール・サイモンの『おかしな二人』等はその代表的なもの。今回の「わらいのまち」は、旅館の玄関、トイレ、カウンターの奥の入り口、厨房へ行く通路等、いくつもの“出入り口”があり、キャストが出たり入ったりするが、その際に起こるすれ違いを上手く利用して勘違いや見間違いを起こし、キャラクターが窮地に陥る、という構造となっている。“ヤバい”状態が次から次へと“創造”され、そこからさらにスラップスティックコメディの要素を挟み込んで、観客を笑いの渦に巻き込んでいく。スリッパで頭を叩く、頭を柱にぶつける等の身体を張った笑いに、ちょっとした台詞に笑える要素を盛り込んだり、とかなりの“コメディの大盛り定食”状態、この公演は“タクフェス 春のコメディ祭!”と銘打ち、これでもかとお笑い要素を盛り込んだお祭り、“本編終了後”は、ショータイム、観客総立ちで手拍子、ペンライトを仕込んできた観客もいて、楽しくほのぼのとしたおまけの時間、なお、初日は特別サービスで2度も踊ってくれたキャスト陣!大サービスな初日であった。

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2.5news(編集部)

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