2016年3月に上演されたミュージカル「さよならソルシエ」ゴッホ兄弟の確執と宿命、そして絆を描いた物語は、劇場で生で奏でられるピアノのみの音楽と美しい照明、プロジェクション・マッピングでカラフルで力強いゴッホの筆のタッチを再現、そして実力派キャストらによる圧巻のパフォーマンスによって、若手画家たちのマグマのように熱く沸き上がる芸術へのエネルギーを見事に表現し、芸術的に見てもレベルの高い舞台であった。
原作は『月刊フラワーズ』(小学館)にて2012~13年に連載された漫画「さよならソルシエ」(作/穂積)で、「このマンガがすごい!」2014年オンナ編で堂々の1位を獲得した作品で、単行本が全2巻で累計発行部数50万部を突破した、20~30代女性から熱い支持を得ている大人気漫画。そして、このミュージカルに登場する“ふたりのゴッホ”を演じる良知真次さん、平野良さんから特別コメントを頂きました。
--ミュージカル「さよならソルシエ」の初演の手応えはいかがでしたでしょうか?
良知:初演の時は、とにかく原作を何度も何度も読みました。気づけば本に、物凄く沢山の付箋をつけて、チェックしていました。再演が決まって、原作を読もうと出した時に、付箋の数で自分もビックリしたぐらい(笑)それぐらい原作の世界観を壊したくなかった。しっかりと芯のあるテオを作り上げました。
--ゴッホの弟、テオドルス・ファン・ゴッホというキャラクターですが、演じてみて何か発見や気付きは?
良知:兄の才能に一番、惚れ込んでいて、何よりも誰よりも兄のことを想って、考えている。画家フィンセント・ファン・ゴッホは、天才だけど。テオドルス・ファン・ゴッホは、天才を作り上げる天才だと演じていて発見しました。だからこそ、ソルシエなんだと。
--再演ではございますが、「ここを観て欲しい」というところを教えてください。
良知:テオの動き(指先からハットの扱い・目線・足の動き)全てを見て欲しいです。そして、テオの声もしっかりと聞いて欲しいですね。
--公演PRをお願いいたします。
良知:穂積先生の原作が作り上げた世界観を、壊すことなくミュージカルとして、繊細な音楽・衣裳・照明。2.5次元という魔法をかけ、大切に1公演1公演、演じたいと思います。毎日、音楽(ピアノ)のテンポも変われば、役者の感情の動きも変わる。それが【生】の良さです。劇場という空間にテオとして魔法をかけ、皆様にお届けしたいと思います。是非、ミュージカル「さよならソルシエ」ご期待下さい。テオドルス・ファン・ゴッホ=良知真次
--ミュージカル「さよならソルシエ」の初演の手応えはいかがでしたでしょうか?
平野:グランドピアノのみで歌うミュージカルは初めてでしたが、誤魔化しがきかない分繊細であり大胆な表現が出来たと思います。
--フィンセント・ファン・ゴッホというキャラクターですが、演じてみて何か発見や気付きは?
平野:「さよならソルシエ」のフィンセントは生まれつき怒りの感情がなく眼に映る全てが美しいと感じる常人離れした人物です。ですので考えても考えても彼の考えはわからない。あえて考えないで自分の周りを観察するところから役作りしました。それは初めての試みだった気がします。
--再演ではございますが、「ここを観て欲しい」というところを教えてください。
平野:新キャストが入ったことで爽やかな風が吹いて、続投メンバーが山のようにどっしりと深みを増しているので全体を見て欲しいっていうのが正直な心です。ただ交錯していく兄弟の絆がぶつかり合うところは楽しみにしていただけたらと思います。
--公演PRをお願いいたします。
平野:人の想いは時代問わず美しく儚く強い。そんな事を思わせる作品だと思います。音符一つ一つで表現するこの世界観を是非ご覧ください。
【公演データ】
ミュージカル「さよならソルシエ」
日時: 3月17日(金)~20日(月・祝)
会場: 東京 シアター1010
原作: 「さよならソルシエ」(小学館)
脚本・演出: 西田大輔
音楽: かみむら周平
振付: エムジェイ
<出演>
テオドルス・ファン・ゴッホ役:良知真次
フィンセント・ファン・ゴッホ役:平野良
アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレック役:反橋宗一郎
エミール・ベルナール役:輝馬
ポール・シニャック役:上田堪大
ポール・ゴーギャン役:Kimeru
ムッシュ・ボドリアール役:窪寺昭
ジャン・サントロ役:合田雅吏
ジャン・ジェローム役:泉見洋平 他
公式HP: http://www.marv.jp/special/m-sorcier/
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