【インタビュー】「BIOHAZARD 」作・演出の鈴木勝秀さん特別コメント到着!

「BIOHAZARD THE Experience」
作・演出の鈴木勝秀さんから特別コメント到着!

ゲーム最新作も発売され、ハリウッド実写映画も公開されたばかりの人気コンテンツ「BIOHAZARD」、舞台化はこれが三度目、五感を刺激するステージとして豪華俳優陣の出演とともに話題性抜群!今回の舞台の作・演出を手掛ける鈴木勝秀さんから特別コメントが到着いたしました!


舞台『BIOHAZARD THE Experience』
製作発表会の様子はコチラ


--「BIOHAZARD」というコンテンツ、1996年にカプコンより発売されたホラーアクションアドベンチャーゲームが元です。個人的見解で結構です、このコンテンツの印象をお聞かせください。

鈴木:まず、「BIOHAZARD」の日本っぽくない感じに惹かれました。登場人物がアメリ カ人で、言葉が英語であることも大きな要素なのですが、発想とか基本原理のなかに、 いわゆる日本的な湿っぽさ(浪花節!)がなくて、世界観がとてもドライだと感じま した。それは、翻訳劇を多く演出している僕にとって、ある意味とても接しやすい部 分でした。そして、音の使い方などに目立っている、ストイックな表現がとても好み です。また、廃墟写真集が美しいように、「BIOHAZARD」に溢れる滅びゆくもの の美学が、恐ろしさよりも際立って感じます。それを完結にまとめると、「ドライ、 ストイック&ビューティー」=DS&Bと、昔のロックバンドのようなことになります。

--既に2度舞台化されており、映画はアメリカで製作(2002年から何度か映画化、 最新のものは日本では2016年12月に公開、アメリカでは2017年1月27日公開)、さ れています。今回は“ 超体感型舞台” で、完全オリジナルストーリーということです が、稽古もだいぶ進んでいらっしゃることとは思いますが、見どころ等お聞かせください。

鈴木:稽古はとても順調に進んでいます。劇場入りするまでに、15回は通し稽古ができる見 通しです。
“ 超体感型舞台” といっても、この「BIOHAZARD THE Experience」は、演劇です。 ディズニーやUSJや花やしき的な、アミューズメント・テーマパークではありません。 まずは演劇公演として楽しんでいただけるように作っています。そのうえで、ある洋館に拉致され監禁された登場人物たちと、迫り来るゾンビの群れに恐怖を感じながら、 脱出までの道のりを一緒に体験していただければ何よりです。具体的には、ネタバレになってしまうので、あまり多くお知らせできませんが、とにかく劇場全体がアクティング・エリア(劇空間)となるように演出しています。見どころとしては、演技は
もちろんですが、日本最高水準のスタッフを集めましたので、そこにもぜひ注目していただいきたいと思います。
ちなみに、舞台は日本です。登場人物も日本人です。もちろん、日本語で演じられます。

--キャストさんもいろんな方々がキャスティングされています。キャストさんの魅力について演出家の立場からお願いいたします。

鈴木:主演の横浜流星くんは空手の有段者で、立ち姿、動き、アクションのどれもが、二十 歳とは思えないほど完成度が高いです。今後どこまで進化するのか、とても楽しみです。 篠田麻里子さんは繊細です。それでいながらとても度胸があって、いい舞台女優がそうであるように、とても男っぽいところがいいですね。 IZAMさんはとても器用でバランス感覚に溢れ、池田努さんはすべてがパワフルで豪胆、 Raychellは何であってもさらけ出すことを恐れないブレイブハート。で、青柳塁斗く んは間違いなく夢に出ますね。 その他若手俳優陣も、いい意味で荒っぽくて好感が持てます。 そして、東幹久さんは、あらゆることのスケールが大きくて、本当に舞台映えする俳優だと思います。で、声がいい。 さらに、稽古熱心な15人のゾンビたちは、おぞましく、恐ろしく、悲しいです。

--現在、アニメ・コミック・ゲーム原作の舞台が非常に増えていますが、このジャンルの可能性についてお聞かせください。

鈴木:僕はこれまで、小説や映画やエッセイなどをいくつも舞台化してきました。『レインマン』や『ノーマンズ・ランド』は、世界初の舞台化でした。良い原作は良い舞台になります。その意味で、アニメ・コミック・ゲームは、才能溢れるかたがたがお作りになっているので、それを原作とした良い舞台が今後も作られることでしょう。ジャンルを分ける必要はありません。僕としては、オファーがあった場合、良質な演劇作品として原作を成立させることを心がけるだけです。

--お決まりの質問で恐縮です。公演PRをお願いいたします。

今作で僕が一番心がけてきたことは、カプコンの小林裕之さんにアドバイスをいただきながら、「BIOHAZARD」の” 世界観” を舞台化することです。「BIOHAZARD」はもちろんゲームですからフィクションです。ですが、そこで描かれていること は、現実の世界で起きていることが、驚くほど反映されています。そして、最終的に 思うのは、「幸福の儚(はかな)さ」です。だからこそ、今日の幸福を大切にしたい。 観劇後、そんなことを思っていただけるような作品になってきました。どうぞ劇場に いらして、それを体感していただければと思います。

--ありがとうございました。公演を楽しみにしています!

鈴木勝秀(Katsuhide Suzuki)

1959年生まれ、横浜育ち。 早稲田大学第一文学部中退。 演出家/脚本家。
1987年に“ZAZOUS THEATER(ザズゥ・シアター)”を旗揚げ。 1997年まで主宰者として構成・演出を務める。 1998年から3年間、演劇活動を休止し、独自の演出法を追求。 2001年以降、フリーで演劇活動を再開し、毎年、ストレート・プレイを中心に、 ミュージカル、リーディング、コンサート、オリジナル脚本作品などの演出作品を 発表し続けている。
演劇以外では、TV、映画の脚本家としても活動している。
最近の主な作品 『教授』*(椎名桔平主演/2013)、『錬金術師』(演劇集団円/2014)、『ハ ナガタミ』*(尾上松也主演/2014)、『偶然の結晶』(由紀さおり45周年コン サート/秋元康プロデュース/2014)、『A Few Good Men』(淵上泰史/田口 トモロヲ/2015)、『ドラマティーク』(大竹しのぶコンサート/2015)、『僕 のリヴァ・る』*(安西慎太郎主演/2016)、『喜びの歌』*(大貫勇輔主演/ 2016)、『サムライモード』(*pnish*/2016)
以下のURLで、これまでの活動記録、オリジナルテキストの公開をしている。
http://d.hatena.ne.jp/suzukatzcloud/about
http://suzukatz-cloud.com/
http://www.suzukatz-cloud.com/download.html

Page: 1 2

2.5news(編集部)

2.5news(編集部)