2025年9月9日(火)東京・日本青年館ホールにて、音楽劇『謎解きはディナーのあとで』が開幕。
シリーズ累計 500 万部を突破、2011 年の本屋大賞を受賞した東川篤哉による大ヒット小説「謎解きはディナーのあとで」。
毒舌執事とお嬢様刑事が繰り広げる軽快なやり取りと本格的な謎解きが話題となり、2011 年にドラマ化、14 年の時を経て今年 4 月からは全国フジテレビ系”ノイタミナ”にて TV アニメが放送中と、国民的人気を誇るミステリー。
今回は脚本に演劇ユニット「Mo’xtra」を主宰し、『デカローグ Ⅰ~Ⅹ』の上演台本や『私の一ヶ月』の脚本を務めた須貝英、演出に『歌喜劇~蘇る市場三郎 冥土の恋~』やミュージカル『アメリカン・サイコ』で演出を務める河原雅彦のもと、舞台オリジナルストーリーにて音楽劇として上演。
毒舌執事・影山役には上田竜也。お嬢様刑事・宝生麗子役には玉井詩織(ももいろクローバーZ)。麗子の上司で派手な御曹司警部・風祭京一郎役には橋本良亮。
そして舞台オリジナルキャラクターとして、ドイツ北部の公国公女であるマリアンヌ・フォン・シュヴァルツクスト役に凪七瑠海。料理人のファビアン・ラインフェルト役に植原卓也。公国公子のクラウス・フォン・シュヴァルツクスト役に川久保拓司。クラウスの政敵アルベルト・シュナイダー役にシューレスジョー。ツアーガイド兼霊媒師のゲルタ・ゲーゲンバウアー役に野口かおる。シュヴァルツクスト家の執事であるヘルマン執事役に大澄賢也。個性的で多彩なキャストがオリジナルストーリーを盛り上げます。
本稿では、初日公演後に行われた会見での開幕コメントと併せて、舞台写真をお届けします。
開幕コメント
上田竜也:稽古からここまできて、長いようで短いという言葉がピッタリだなと。開幕を迎えて、稽古場の時とは違ったお客さんの笑い方があり、「ここで笑ってくれるんだ」という発見もありました。初日が開けてしまったら終わりまですぐだなという、少し早いですが寂しい気持ちもある、そんな感覚があります。大ヒットした小説が原作ですし、影山役は(櫻井)翔くんが演じていたということで、最初にお話をいただいた時は嬉しくもあり、プレッシャーでもありました。翔くんに影山として大切にしていたことを伺ったら、「キャラクターを作ること」「毒舌ではあるけれど、嫌悪感を抱かれないように気を付けること」と教えていただいたので、稽古でもそれを意識していました。特に執事としての仕草や立ち居振る舞いには苦労しましたが、本職のバトラーに指導をしていただいたおかげで更生したと思います(笑)。謎解きのあるミステリーではありますが、このオリジナル舞台はエンターテイメントに仕上がっています。ぜひ観に来て笑ってストレス発散していただけると嬉しいです。
玉井詩織:本日皆様の前で幕を開けることができてとても嬉しいです。稽古が始まった当初は期間が短かったので不安もありましたが、初日を迎えてお客様の反応をいただいて、ここまで頑張ってきてよかったなと思いました。千秋楽まで一日一日を大切に頑張りたいです。原作があるものなのでキャラクターを作るのが難しかったのですが、上田さんが影山に被るところがたくさんあってやりやすかったです。だんだん本当に私のことを馬鹿だなぁと思っているんだなと感じて(笑)、でも裏だと私の方がしっかりしていることもあって、良いコンビネーションで作れました。
橋本良亮:上田くんとがっつり一緒にお仕事をさせていただくのが初めてなんです。稽古場でも席がずっと隣で、別に何かを喋るわけではないですが、すごく落ち着きました。短い稽古期間でしたが、一人一人が全力でやってきましたし、一人一人の力で大成功になった舞台だと感じています。お客様の笑い声と拍手があって、舞台が完成するんだなと改めて実感しましたし、たくさんの拍手をいただけるよう頑張っていきたいです。僕の演じる風祭は、原作だともっとかっこいいのですが、舞台では自分なりの風祭を研究し、河原さんの演出を受けてぶっ飛んだ役になっています。今作はオリジナルの舞台なので、風祭も舞台ならではのオリジナル風祭として立っていきたいです。
凪七瑠海:宝塚を卒業してから二作品目となりますが、とても新鮮な空気の中やらせていただきました。稽古場の時から皆様の雰囲気がとても和やかで、温和で優しい方々ばかりでした。あとは、笑いの絶えない作品なので、笑いを耐えるというのがの試練だなと(笑)。ゲネプロまで一度も笑わずにできたことがなかったのですが、初日はギリギリ耐える事ができました(笑)。千秋楽までマリアンヌとして精一杯生きていきたいです。
大澄賢也:ヘルマンとしてだけではなく、冒頭にナレーターとしても出演しています。初日の雰囲気が本当に温かくて、皆様の笑いや拍手をいただき「いける!」 と思えた瞬間があり、いい初日だったなと感じました。僕は堂本光一くんが出演している作品(ミュージカル『ナイツ・テイル -騎士物語-』ARENA LIVE)に出演していたので、稽古に合流するのが遅く、既に皆さんいい雰囲気で出来ていたので少し焦りを感じていたのですが、竜也くんが『SHOCK』のジャージを着て稽古をしていて親近感がわきましたし、座長としての振る舞い方が光一くんに似ているなと。光一イズムを感じました。穏やかに、そして淡々と背中を見せていく姿勢が自然とカンパニー内に伝わり、すごくいい雰囲気で今日までこれました。
河原雅彦(演出):ポピュラーな原作で、メインの3人のキャラクターは固まっていたので、何を推理するのか作るのが一番苦労しました。台本も出来上がるまでかなり時間が掛かったので、推理作家さんってすごいなと思いました。映画や小説は違って舞台なので、とにかく面白い舞台を作ろうと考えながらやってきました。楽しくやらせてもらいました。
上田くんは、きちっとしていなさそうに見えて、実はきちっとしている人なんです。それはもう浸透していると思いますが(笑)。影山という役を自分が演じることの意味を考えて挑んでくれました。玉井さんも橋本くんもそうでしたし、手のかからない役者の皆さんでした。
あらすじ
国立署の刑事・宝生麗子は世界的に有名な「宝生グループ」の財閥令嬢。お嬢様であることをひた隠しにしながら、「風祭モータース」の御曹司である風祭警部の部下として日々事件に奮闘している。
お世辞にも優れているとは言いがたい麗子の推理力を補うのは超有能執事の影山。難解な事件に遭遇するたびに助けを求める麗子に、「お嬢様の目は節穴でございますか?」などと毒舌を吐きながら、影山はいつも鮮やかに謎を解き明かしてしまう。
そんなある日、とある殺人事件現場で華麗に推理を披露する麗子だったが、事件が解決した矢先に執事の影山が現れ、ヨーロッパへ急行すべく麗子を連れ出してしまう。さもないと親同士が決めた結婚が成立してしまうというのだ。
二人が向かったヨーロッパの小国・シュヴァルツクスト公国では元首が急死。早急に後継者を立てなければならない。
麗子は王位継承者争いに巻き込まれていた。公国には EV カーを売り込みに来た風祭警部もやって来てしまい、大混乱。
シュヴァルツクスト公国で、舞台オリジナルの登場人物たちと繰り広げられる、謎解きあり!ロマンスあり?なストーリーをお届け。
公演概要
音楽劇『謎解きはディナーのあとで』
原作:東川篤哉「謎解きはディナーのあとで」(小学館刊)
脚本:須貝英
演出:河原雅彦
音楽:三國茉莉
出演:上田竜也、玉井詩織(ももいろクローバーZ)、橋本良亮、凪七瑠海、植原卓也、川久保拓司、シューレスジョー、野口かおる、大澄賢也
明樂哲典、縄田晋、天野翔太、渡部又吁、吉岡麻由子、熊澤沙穂、宮川実生、片岡芽衣、大窪藍子(スウィング)
東京公演:2025年9月9日(火)~9月23日(火・祝) 日本青年館ホール
大阪公演:2025年9月27日(土)~10月1日(水) SkyシアターMBS
企画・製作:フジテレビジョン
主催:フジテレビジョン/サンライズプロモーション東京/キューブ
公式サイト:http://www.nazod-stage.jp/
Ⓒ東川篤哉/小学館