2025年9月12日(金)に梅田芸術劇場メインホールにて開幕する、ミュージカル「黒執事」~緑の魔女と人狼の森~のオフィシャル稽古レポートが到着。
※稽古レポートにはネタバレ要素が含まれます。
男性陣の歌声も加わったダイナミックなコーラスで、すでに「おもしろい一作になる」と確信できるオープニングだったが、歌唱指導のカサノボー晃と振付の KOHMEN がアクセントの置き方や顎の動きを指示し、音の広がりを調整していく。それだけで、悲痛な叫びに近かった歌声に天に祈るような響きが加わった。新良エツ子による歌詞も巧みで、シエルが背負った“業”やファントムハイヴ家使用人たちの過去、村の領主・サリヴァンが抱く夢、村人たちの“秘密”がいかようにも捉えられる言葉で重ね合わされ、メインテーマがリフレインされるたびに登場人物たちの新たな表情を見せてくれる。
場面はシエルたちとサリヴァンたちの出会いへ。演出の毛利亘宏は自ら武器(農具)を並べると、村人を演じるキャストたちに「こういうものはご縁だから、各自好きなものを持ってみて」とユーモアたっぷりに告げる。
一方で毛利は、照明・映像を踏まえた動きや、音楽が入るタイミング、セットの転換を演出部とキャストのどちらが担うべきかも検証を重ね、より自然に感情が流れていくベストな表現を探る。ここでは村で唯一の男性・ヴォルフラムに気圧されたメイリンが、セバスチャンに助けを求めるように目線を送る動きを追加して、セバスチャンとヴォルフラムが対峙する構図をスムーズに導いた。
この二人の魅力を存分に堪能できるのが、執事対決ともいえる料理をしながらの賑やかなナンバーだ。卵を割る手首のスナップや机を叩く指のしなりまで優雅さを追求する立石と、威厳ある姿と滑稽さのバランスを探る小野田。さらに毛利の指示で SE も上乗せされ、リズミカルに盛り上がる楽しい一曲になりそうだ。そしてヴォルフラムの険しい表情が、このナンバーで見せるセバスチャンへの対抗意識から己の内なる葛藤へと、少しずつ色を変えていくのも印象深かった。
<期間・劇場>
【大阪】2025 年 9 月 12 日(金)~15 日(月・祝)梅田芸術劇場メインホール
【東京】2025 年 9 月 21 日(日)~28 日(日)Kanadevia Hall
<原作> 枢やな(掲載 月刊「G ファンタジー」スクウェア・エニックス刊)
<脚本> Two hats Ltd. 日置じゅん(D-6th)
<演出> 毛利亘宏
<音楽> 和田俊輔
<出演>
セバスチャン・ミカエリス:立石俊樹
シエル・ファントムハイヴ:小林郁大
フィニアン:糸川耀士郎
メイリン:角川美紗
バルドロイ:北村圭吾
スネーク:佐藤永典
タナカ:本間 仁
ヒルデ・ディックハウト:蘭舞ゆう
グレーテ・ヒルバート:玉山珠里
アンネ・ドレヴァンツ:井上花菜
ババ様:天寿光希
decomayu 加藤 楓 北田涼子 根岸みゆ 平山るか
深瀬友梨 増田悠那 松島朱里 森下結音 山崎里彩
横山慶次郎
ジークリンデ・サリヴァン:Clara
ヴォルフラム・ゲルツァー:小野田龍之介
<主催>
【大阪公演】梅田芸術劇場
【東京公演】ミュージカル黒執事プロジェクト
(ネルケプランニング アニプレックス TBS アミューズ イープラス)
<一般発売日>2025 年 8 月 9 日(土)10:00
<料金>
【大阪公演】S 席:12,800 円/A 席:9,800 円/B 席:6,000 円(全席指定/税込)
【東京公演】全席指定:12,800 円(全席指定/税込)
<公演に関するお問い合わせ>
【大阪公演】梅田芸術劇場 06-6377-3800(10:00~18:00/土日祝含む)
【東京公演】ネルケプランニング https://www.nelke.co.jp/contact/
◆公式サイト http://namashitsuji.jp/
◆公式X https://x.com/namashitsujijp
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