2024年11月11日(月)東京国際フォーラム ホールCにて、ミュージカル『グラウンドホッグ・デー』が開幕。
1993年にアメリカで公開された映画「Groundhog Day(邦題:恋はデジャ・ブ)」は、主演ビル・マーレイの小気味よい演技がひかる、監督・脚本ハロルド・ライミス、原案・脚本ダニー・ルービンによる傑作コメディ。
公開から約20年後にミュージカル化が計画され、2016年夏にロンドンのオールド・ヴィック劇場で世界初演、その後2017年春からニューヨークのブロードウェイでも上演され、2017年のローレンス・オリヴィエ賞で「最優秀新作ミュージカル賞」と「ミュージカル部門主演男優賞」を受賞。さらに同年のトニー賞ではミュージカル作品賞を含む7部門へのノミネートを果たしました。
アメリカ・ペンシルベニア州の小さな田舎町で、毎年2月2日に行われる平凡なお祭りの日「グラウンドホッグ・デー」を永遠に繰り返すことになった天気予報士のフィル。何度目覚めても退屈な中継の日…。タイムループに嫌気がさしながらも、心から望むことを手に入れるために同じ日を生きることを利用し、楽しみ始めます。やがて繰り返す日常の中で、フィルの内面にも変化が生まれ、新たな一歩を踏み出すまでを描いたコメディ作品が、新たに日本版ミュージカルとして生まれ変わり、今回日本初演となります。
演出を務めるのは数々のコメディ作品を世に送り出す福田雄一。
タイムループの中に閉じ込められる主人公フィルを務めるのは、近年舞台での活躍が目覚ましいWEST.の桐山照史。
フィルと共に同じ日を繰り返しながら、彼の心を溶かす存在である明るく知的なヒロイン・リタを、映像にも活動の幅を広げている咲妃みゆが演じます。
また、福田作品の常連の戸塚純貴が本作でミュージカルに初挑戦。抜群の歌唱力に定評がある豊原江理佳、ミュージカルへの出演も多く幅広いジャンルの作品で活躍する川久保拓司が出演します。
初⽇公演前⽇には、ゲネプロと囲み取材を実施。囲み取材では、キャストの桐山照史、咲妃みゆ、戸塚純貴、豊原江理佳、川久保拓司、演出の福田雄一が登壇。
本稿では、囲み取材での開幕コメントと併せてゲネプロの様子をお届けします。
いよいよ開幕を迎えての気持ちをきかれると、桐山は「1日も早くお客様の前でやりたいと思っていました。演出の福田節をいっぱい感じましたし、福田さんが、稽古初日にこんなに笑ったのは初めてだと言ってくれて嬉しかったです」と述べ、続けて「福田さんとはずっとご一緒したいと思っていたのですが、接点がなかったので名前を挙げてくださった時は嘘だと思っていました(笑)」と出演が決まった時を振り返りました。
福田は「ドラマ『真夜中のパン屋さん』で初めて見た時から、この子は絶対に面白い子だと思っていました」と、10年前から桐山のファンだったことを明かし、「フィルは、最初はすごい嫌な奴なんだけど、どんどん良い奴に変わっていくんです。その間もボケたりツッコミをしたりしないといけない凄く難しい役で、誰が出来るんだろうかと悩んでいた時、プロデューサーさんから桐山くんの名前が挙がって『それです!』と、なりました」と、語りました。
本格的なコメディ作品が初挑戦となる咲妃は「初めてなので、自分自身たくさんの壁に直面するとは思っていましたが、福田さんの作品に出演することが長年の夢だったので、ご一緒したいという気持ちが上回りました。福田さんと長くお仕事をされているカンパニーの方々にかなり影響をいただいて、皆さんの挑戦心や闘志に感化され、案を練ってコメディに挑戦させていただきました」とコメント。
戸塚は、本作でミュージカルに初挑戦。ソロパートではバラードを披露するとのことで「初めて歌うので、本番で皆さんにどう反応してもらえるのか、とっても楽しみでドキドキしています」と、川久保は「以前、福田さんがミュージカルを観に来てくださった時に『もう一回見つめ直した方がいいよ』と言われ、そこから歌を励んで必死にここまでやってきました。座長・桐山くんが作り出す空気感が良すぎて、初めて幕が上がってほしくないなと思いました。始まると終わっちゃうので」と語りました。
途中から稽古に合流したという豊原は「みんな面白すぎて、毎日違うアドリブを考えて稽古場でやっている姿に圧倒されました。みんな面白いものを作りたいという空気がすごく温かくて優しかったので、私もやってみよう、次はなにをやろうと考えてやれました」と、稽古を振り返りました。
本作では、アドリブ以外にも様々なことに挑戦しているとのこと。
桐山は「(WEST.の)メンバーの小瀧が、ミュージカル『DEATH TAKES A HOLIDAY』で演出の方からの要望でタップダンスをやったというのを、テレビで見たんですよ。その3日後くらいに福田さんから「桐山くん、タップ踏める?」って訊かれて。「踏めないです」って、ちゃんと丁寧に断ったのに、何故か踏むことになりました(笑)」と、タップダンスに挑戦することになったと明かしました。
それに対し、福田は「ブロードウェイではタップ踏んでないんですけど、桐山くんはやった方が絶対格好いいし面白いから」と話し、桐山は1ヶ月弱でタップを習得したそう。
最後に、桐山から「桐山照史の人生史上、1番のミュージカルが出来たと思います。来てくれるお客様と、僕たちカンパニーと一緒に笑い飛ばせるミュージカルになっていますので、カンパニー一同、心より劇場でお待ちしております」と、本作を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージが述べられました。
傲慢で自己中心的なテレビの人気天気予報士フィル(桐山照史)は、「グラウンドホッグ・デー」の実況中継をするため、アソシエイト・プロデューサーのリタ(咲妃みゆ)、カメラマンのラリー(川久保拓司)と共にペンシルベニア州のパンクサトーニーにやって来た。
今年もフィルは退屈な田舎町で行われるお天気占いの中継に文句たらたら。午前6時、グラウンドホッグ・デーを告げるラジオのDJの声で目を覚ましたフィルは、民宿のおばさんや、通りで出会った高校時代の同級生ネッド(戸塚純貴)にも不機嫌な態度で、町の広場へ向かう。
そっけなく中継を済ませ、仕事を終えたフィルたちが町を後にしようとした時、吹雪が町を襲い、道路は閉鎖され電話も不通という事態に見舞われ、やむなくもう一泊することになる。
夜が明け、朝がくると午前6時。昨日と同じようにDJはグラウンドホッグ・デーを告げていた…!民宿のおばさんは昨日と同じあいさつをし、通りで同級生ネッドに会い…、何もかもが昨日と同じ。そしてまた吹雪にあい、道路は閉鎖され、町に閉じ込められ、また一泊…。夜が明けるとまた午前6時。今日も同じ1日が始まる…。
フィルは自分だけが永遠に同じ2月2日を繰り返していることに気づき、仲間たちに打ち明ける。フィルたちは、本当の明日は永遠にやって来ない!であれば食べても太らない!飲んでも二日酔いにならない!と、この特権を利用して大暴れ。ある時は町で出会ったナンシー(豊原江理佳)と一夜限りの遊びを楽しんだり、ある時はリタを口説いてみたり、やりたい放題の1日を過ごしていくが……
日程 2024年11月11日(月)~22日(金)
場所 東京国際フォーラム ホールC
料金 S席 15,500円 A席 10,000円 (全席指定・税込)
【地方公演】
大阪公演:新歌舞伎座
日程 2024年11月27日(水)~12月1日(日)
愛知公演:御園座
日程 2024 年 12 月 5 日(木)~8 日(日)
【CAST】
フィル・コナーズ・・・・・桐山照史
リタ・ハンソン・・・・・・・咲妃みゆ
ネッド・ライアーソン・・・・戸塚純貴
ナンシー・テイラー・・・豊原江理佳
ラリー/ガス・・・・・・・・川久保拓司
(五十音順)
ランカスター夫人・・・・・・・家塚敦子
クリーブランド夫人・・・・・・・井上花菜
バスター・・・・・・・・・・・・・岡田誠
ピアノの先生/他・・・・・・可知寛子
チャビーマン・・・・・・・・・・ぎたろー
ドリス・・・・・・・・・・・・・・・小山侑紀
ジェンソン/嵐を追う男・・・・・・・坂元宏旬
ラルフ/他・・・・・・・・・・・・・・・高橋卓士
デビー・・・・・・・・・・・・・竹内真里
ジェフ・・・・・・・・・・・・・・・茶谷健太
保安官代理・・・・・・・・・・常住富大
嵐を追う女・・・・・・・・・伯鞘麗名
クリーブランド/ビリー・・・・・・・堀江慎也
保安官・・・・・・・・・・・・・・横山敬
フレディ・・・・・・・・・・・・・・横山達夫
スウィング・・・・・・・高山裕生、田中真由
【STAFF】
演出:福田雄一
翻訳・訳詞:福田響志
振付:上島雪夫・福田響志
音楽監督・指揮:上垣 聡
美術:二村周作
照明:高見和義
音響:佐藤日出夫
衣裳:十川ヒロコ
ヘアメイク:宮内宏明
歌唱指導:平岡由香
振付助手:遠藤瑠美子
稽古ピアノ:杉田未央・後藤沙希乃
音楽制作:カンパニーAZA
演出助手:伊達紀行・斎藤歩
舞台監督:津江健太
制作:花澤理恵・市川喬之
プロデューサー:柳原一太・梶浦智嗣(パルコ)、冨田雅子・鳥澤勇人(東宝)
宣伝美術:野寺尚子(ウルトラグラフィックス)
宣伝写真:HIRO KIMURA
製作:パルコ・東宝
公式サイト https://groundhogday.jp/