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ドクター・コッペリウス

【3.0レポート】冨田勲 追悼特別公演 冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』

ドクター・コッペリウス

スペース・バレエ・シンフォニー『ドクター・コッペリウス』

第1部の『イーハトーヴ交響曲』、シンフォニーヒルズ少年少女合唱団のコーラスから始まる。大地を連想させる楽曲、すんなりと心に染み入る懐かしい感触、宮沢賢治の世界観を音楽で表現する大作だ。そこにあるのはまさしく宮沢賢治の作品のイメージなのだが、作曲家自身の考え方や感じ方も投影されており、これぞ“冨田勲サウンド”と感じる。そして初音ミクが登場し、指揮者の動きに合わせて歌い、踊るが、その動きはきめ細かく、こういったライブは、まさに21世紀だと思わせてくれる。さらに、その後の「惑星」は観客は自由に舞台近くに来てもよい、という趣向。舞台設置の間に舞台近くに観客が集まる。ちょっとクラブっぽい雰囲気で曲に合わせて身体を動かす観客も散見された。一言で言えば「COOL」、グローバル、かっこよく、ナチュラル。冨田勲はシンセサイザーを使ったクリエイターとして常にトップを走り続けてきた。そんな彼のエッセンスが詰まったサウンドであった。
そして世界初演の『ドクター・コッペリウス』、壮大な宇宙を感じさせる。空、星、この作品のモチーフは日本の宇宙開発の父と言われた糸川英夫博士、博士は音楽とバレエを愛し、60歳を過ぎてからバレエ研究所に入所し、1975年には初舞台を踏んでいる。この演目でも初音ミクが登場し、しかも生身のダンサーとの共演、動きをシンクロさせたり、生身のダンサーが初音ミクをリフトしたり、しかも指揮に合わせて、である。これが自然に溶け込んでいるのがビジュアル的に秀逸であり、楽曲を聴くだけでも脳内に風景が浮かび上がる。第4楽章は『惑星イトカワにて』、レオ・ドリーブ作曲の『コッペリア』ワルツに基づく、とある。ここで初音ミクが『コッペリア』を、軽やかな音楽に合わせて踊り、後半は歌う。

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