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マザーズ・イン・ヘヴン

【インタビュー】ドラマティック・カンパニー公演『マザーズ・イン・ヘヴン』関 俊彦 スペシャルインタビュー

関俊彦

――劇団のお話はそれぐらいにしまして、そのドラマティック・カンパニーの今回の公演『マザーズ・イン・ヘヴン』はどういう芝居なんでしょうか。

関:なかなか説明するのは難しい芝居なんですが――天国にマザーズルームと言う特別な部屋があるんですよ。それで、生きていたときに我が子を大切にしていたお母さんであれば、その部屋で10年修行をしたら、現世で生きている我が子に1日だけ会うことができるっていうシステムが天国にあるんです。
私は、その部屋で天使達を管理する天使長という役どころです。これは現世に下りる資格を得た、10年修行をしたお母さんが現世に降りるときに、自分の部下の担当天使をアテンド係として一緒に送り込む役割です。
ただひとつだけ、厳格なルールがあるんです。我が子に会うときに、自分が母親であることを伝えてはいけない。

――正体を明かしちゃいけないんですね。

関:このルールを破ると、2度と輪廻転生で生まれ変わることができない、永遠に天国にいることになってしまうという厳格なルールなんです。
そのために、我が子に会いに降りたお母さんには、当人の望むとおりの顔かたちに見た目を変えて会うことができる、という仕組みがあるんですね。
この作品は3話のオムニバス形式をとっていて、3人の母親がそれぞれの我が子と対面するっていう風景が描かれています。
たとえば、1話目のお母さんを例に挙げると、別人として息子に会うんであれば、なるべく息子の好みの見た目の女性になろうとするんですね。だから選んだ見た目をどうするかっていうことでそのお母さん色々悩んだりして、息子の初めての彼女の、身体の弱い北斗晶似にするか、息子の初恋の相手だったアントニオ猪木似の幼稚園の先生にするか色々考えたんですけど、結局息子が好みだったある方に似た顔に変えて会うという。それが1話目、エピソード1なんですけど。

――全部聞いちゃうと舞台を見たときのインパクトが……

関:だから1しか言いませんよ(笑)。今回の作品の見所としては、舞台上の本人はそのままでも、つまり観客にとってはそのお母さんはそのまま役者が出るんですが、ステージ上にいる現世の息子や息子の周りの人々には変身した○○さんにしか見えない。これが、この作品の面白さですかね。

――それを、お客様は楽しむ。

関:それを楽しんで欲しいですね。ステージの人は「はっ! ○○だ!」ってやってるんだけど、見てる人にはそのままのお母さん本人ですから。そういうシュールな設定っていうのがおもしろいところですかね。

――あと、3人のお母さんが、それぞれどういう姿を選ぶかっていうのも見所ですよね

関:そうですね。あとは、10年間修行した間、子供は10年育っているんです。ですから、10年前は「大きくなったらママと結婚するんだ~」と言ってた可愛い息子が、いい年になっていて純真な子供のままじゃなくなっている。人生何事も思い通りに行かないや……っていう状況の中で息子と母の、真実の関係が明らかにされていくっていう。そういうお話ですね。母さんたちは、天使たちには自分に都合良い話をしていたんですが、実際に現世に降りてみたら、状況はそんなことじゃなかったとか。そんな感じですね。

――では最後に、この舞台を見に来られるお客様に一言

関:私たちドラマティック・カンパニーでは、作品の脚本や演出等を外部の人に頼んだりすることも多いんですが、今回の作・演出は『、ちびまる子ちゃん』のまる子役で有名なTARAKOさんにお願いしました。彼女には、10年近く前にも1度、作・演出をお願いしたことがあるんですが、いつも笑いあり涙あり、そして最後には気持ちがホッコリと暖かくなるようなハートウォーミングな芝居を作ってくださいます。今回も必ず見に来たお客さんに楽しんでいただける、気持ちがホッコリするような舞台を見ていただけると思いますので、それを楽しみに、ぜひ劇場へ足を運んでください。

関俊彦

関 俊彦(せき としひこ)

栃木県出身。声優・俳優・ナレータ。大学在学中の1983年にラジオドラマでデビュー。アニメでのデビューは同年放送のテレビアニメ『太陽の子エステバン』。デビュー以来数々の作品に出演。中尾隆聖と共に主催する劇団「ドラマティック・カンパニー」では若手公演の演出・プロデュースも担当している。
主な出演作品:<アニメーション>『モブサイコ100』(郷田武蔵)、『キルラキル』(鮮血)、『ぎんぎつね』(冴木達夫)、『革命機ヴァルヴレイブ』(ナレーション)『宇宙戦艦ヤマト2199』(伊藤真也)<特撮ドラマ>『仮面ライダー電王』(モモタロス:声の出演)他多数

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